今後は人材の「ケア」にも力を入れる
「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、「英語公用語」を打ち出していることなどもあって、受験可能な学生が限られ、大学生の「就職人気ベスト100」に入ることは少ない。しかし、きわめて知名度の高い企業であり、国際的にも活躍したいと考える学生には人気の就職先だ。2013年2月8日、同社が東京・六本木で開いた新卒採用イベント「ユニクロ・ジーユー希望塾」には、800人もの学生が集まった。
上場企業であり、成長力もあって、給料も悪くない。「若手に海外で活躍する機会を積極的に与えていることが学生には魅力的に映るし、身近で、なじみがあることも人気の要因」と、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏はみている。
ユニクロによると、「(今回の週刊東洋経済の報道がきっかけで)内定者が辞退したり、採用方針への問い合わせがあったりすることはありません」という。
同社は「(若いときからの店長経験や海外経験を)チャンスと感じ、自分の力を試してみたいと思って頑張っている学生が多いのも事実です。その一方で、入社時に意欲をもっていても、国内勤務の段階で辞めていった人や国内でも転勤のない職場を希望して辞めていく人もいます。ただ、これまでは人材育成ばかりに目を向けていましたが、今後はケアの部分にも力を入れるよう、改善していきます」と話している。