地道な改良を積み重ねる
自動車メーカー関係者によると、燃費の改善は「画期的なブレイクスルーがない限り、従来の技術を改良し、地道に積み上げていくしかない」という。今回のアルトエコはフルモデルチェンジではなく、これまでのボディーやエンジンの改良にとどまっており、まさに地道な改良の組み合わせでリッター33.0キロを達成したと言える。「軽自動車で20キロの軽量化というのは並大抵の努力では達成できない」という。スズキは従来モデルでも標準モデルに比べ20キロの軽量化を実現しているからだ。
スズキはさらに新型軽自動車「スペーシア」を3月15日から発売する。こちらは先ほどのランキングで5位となったモデルで、アルトエコと同じ技術を採用し、リッター29.0キロを実現した。こちらはダイハツタントやホンダN-BOXに対抗するハイトワゴンタイプでクラストップを誇る。
HV並みの低燃費を実現したガソリンエンジン車は、ダイハツ工業が2010年9月に発売したミライースのリッター30.0キロが先鞭をつけた。その直後の同年12月にはスズキがリッター30.2キロと、0.2キロ上回るアルトエコを発売し、リッター30キロがガソリンエンジン車の頂点となっていた。今回、スズキがさらに記録を伸ばしたことで、ライバルのダイハツの反撃が注目される。