「1万部で超面白い」「100万部でありきたり」どっちを担当したい 講談社の「採用面接質問」に侃々諤諤

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出版社を志望する学生の多くは、商業活動に関心がなさすぎる

   ところが、この一部が切り出され、まとめサイトの記事になると「マガジン編集長が『ありきたりでも100万部売れる漫画と答えろ』と言っている」という誤った解釈がインターネット上に流布されることに。「なんつーの『商業主義をあえて選択する俺すげえ』的な企業人の言動もそろそろオワコンですよ、と。飽きられてる」などと批判が寄せられた。

   大学教員を自称するアカウントも「こういうドヤり方して採用してたんじゃ、そりゃマンガも今みたいなていたらくになるよなあ……としみじみ」「100万部売れるありきたりなマンガがないと1万部のコアなマンガも支えられない、ってのが『ビジネス』のリクツの最大公約数でしょうに。いきなり二者択一にしちまってる時点でもう……しかもそれを面接時のフィルターにして、前者こそがオトナでプロ、とドヤる、と」と嘆いて見せた。「ドヤる」とは「ドヤ顔をする」の略で「得意げになっている」の意味と思われる。

   厳しい就職活動に挑む大学生に「読者や作家を意識しよう」と伝えた言葉が、違う意味で「拡散」する状況に、別マガ班長は「苦しくなります。作家に申し訳なくて」「本当にそんなことを思っていたら、別マガのような雑誌を作ろうと思うでしょうか。うまく行き始めているのに、新連載を誰でも応募できる公募で募集するでしょうか」。そして、今後のアカウント運営に悩む様子ものぞかせた。

   ただ、「意図はよーくわかる」と班長を擁護する声も少なくない。マガジン編集部OBの樹林伸さんはツイッターでこうフォローした。

「ようするに『編集者たるもの、自分や周囲の少数の価値観より大多数の読者の評価を信じるべき』ってことだろ?文章の巧い班長にしちゃ、ちょっと伝わりにくかったけどな」
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