初の本拠地デビューで「プロの洗礼」 巨人・菅野を襲う「一浪のジンクス」

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「自主トレ」と「プロの練習」の違いまざまざ

   菅野は一浪している。一昨年秋のドラフト会議で日本ハムから1位指名されたが、入団拒否。「なにがなんでも巨人」との意思を貫いた。彼は巨人の原辰徳監督の甥であり、親族すべて「巨人愛」だった。

   問題は1年間のブランクである。大学のグラウンドで練習を続けていたというものの、プロの練習と孤独な「自主トレ」ではかなりレベルが違う。

   「無駄な1年間」とはプロ野球関係者の共通した意見である。「特に投手にとっては1年間のブランクは大きく響く」という。

   思い出すのは江川である。法大時代に東京六大学リーグ戦で通算47勝(歴代2位)をマーク。「怪物」といわれた大物だった。それが1位指名を蹴って米国へ留学。つまり一浪の道を選んだ。巨人に入団した1年目は9勝10敗と予想外の結果だった。20勝したのは3年目である。

   「江川ほどの逸材でも1年空いたら簡単には勝てない。そのくらい単独練習は量も質も足りない。素直にプロ入りしていたら新人20勝も夢ではなかった」。当時、関係者はそう言っていたものである。

   菅野と江川を比べたら、だれでも江川の素質が上位と認める。その江川でさえ一浪のツケに負けた。ましてや菅野クラスでは、ということなのだ。

   ひな祭りの登板は厳しい警鐘、と菅野はとらえていることだろう。「今後、生かすも殺すも自分次第」と気持ちを引き締めている。「一浪のジンクス」にどう立ち向かうか。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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