「日立・GE」の原発統合は解消か?
今回の東芝とGEの提携強化が進んだ背景にはもう一つ、三菱重工と日立が2012年11月に火力発電を中心とする発電事業を、14年1月をめどに統合することで合意したこともある。三菱重工・日立連合の統合会社の売上高は1兆円を超える見通し。東芝はこれを強く意識しており、いわば再編が再編を呼ぶ構図だ。
次に注目されるのが、GEと日立の提携関係の解消。日立は火力発電事業でGEから大型ガスタービンを調達する関係にあったが、三菱重工との事業統合を受けて、調達先からGEを外す方針という。そうなると、原発事業での合従連衡の関係にも影響は必至だ。
日立とGEは原発事業でも統合しており、日立は原発の燃料サイクルでGEに依存している。統合解消は簡単ではないが、三菱重工も日立との統合には並々ならぬ意欲をもつとされる。火力に続いて原発事業の統合も視野に入れており、そうなると原発での日立・GE連合が見直される可能性も出てくる。
一方、東芝は米原発大手のウェスチングハウスをすでに子会社化、さらに三菱重工は仏アレバと連携している。このため、先進国の原発事業はいずれ「日立・三菱重工・アレバ」、「東芝・GE・ウェスチングハウス」の2大陣営に集約される、との見方も出始めている。