「サムスンと股裂きになると考えていない」
アップルとの関係については、シャープ広報室では、サムスンと股裂き状態になるとは考えていないとした。
たとえ出資・供給面での不安がクリアされたとしても、シャープやアップルの技術情報などがサムスン側に流出する恐れはないのか。
この点について、広報室では、こう説明した。
「サムスン側とは、あくまで資本提携やパネル供給であって、技術契約ではありません。共同開発も技術供与もないです。また、経営への関与は一切ないと合意しており、役員派遣もありません。ですから、技術情報などの流出はないと考えています」
国際金融アナリストの小田切尚登さんは、シャープの提携についてこうみる。
「サムソンという強い企業にお墨付きをもらい、信用力が上がって、将来性にはプラスになった面はあります。資金調達の呼び水にもなるかもしれません。シャープは、大きな会社ですので、サムソン、アップル両社と関係をもつことはありえます。優れた製品を使いたいのが普通でしょうから、提携したからといって、手を引くとは限らないと思います」
しかし、今後はサムスン1人勝ちの状態が進んで、日本のほかのメーカーにも影響が出てくる恐れはあると言う。