韓国で起訴されても「引き渡し」心配ない?
同種の問題としては2013年2月、ソウル・日本大使館前の「慰安婦像」に「竹島は日本固有の領土」と書かれた杭を縛り付けるなどした日本の政治活動家の男性が、名誉毀損罪に問われて韓国で起訴された件が記憶に新しい。まだ判決は出ていないが、韓国・聯合ニュースは、
「裁判で実刑が確定すれば、日本との犯人引き渡し条約に基づき身柄の引き渡しの手続きを踏む公算が高い」
と報じている。「桜乱舞流」も同様の展開になる可能性は否定できない。
もっとも実際には、彼らが韓国に「引き渡される」可能性はかなり低そうだ。というのも日本を含む多くの国では、自国の人間が罪に問われても相手国には原則引き渡さないという「自国民不引渡の原則」と呼ばれる通例が存在し、日韓の間に結ばれている「犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約」でも、
「被請求国は、この条約に基づいて自国民を引き渡す義務を負うものではない」
としているからだ。国の「裁量」で引き渡しが認められる可能性は一応あるものの、外務省の担当者もそうしたケースは「聞いたことがない」と話す。日本国内の法律で裁かれる場合は皆無とはいえないが、今のところ同バンドは枕を高くして眠れるようだ。