国務省は「意味がない」とバッサリ
だが、米政府はきわめて冷淡な反応だ。翌3月4日の会見では、ホワイトハウスのカーニー報道官が
「我々は北朝鮮と(外交ルートとして)直接の対話のチャンネルを持っている。エリートを楽しませるためにスポーツイベントを開くお金があるのならば、飢えたり、投獄されたり、人権を否定されている自国民の生活に使うべきだ」
と北朝鮮を批判し、国務省のベントレル報道部長も
「きわめて率直に言うと、この北朝鮮の言葉や『離れ業』には意味がない。重要なのは彼らが行う行動だ」
と切り捨てた。
これに異論を唱えたのが、元駐韓米大使のドナルド・グレッグ氏だ。グレッグ氏は米中央情報局(CIA)に30年以上にわたって勤務。アジア地域を担当した。1989年から93年にかけて駐韓米大使を務めている。韓国の聯合ニュースが3月5日に報じたところによると、グレッグ氏は、ロッドマン氏のことを
「クレージーだが、最高の、頭の切れるアスリート」
だと評価。韓国と米国は「これ(金正恩氏のメッセージ)を真剣に受け止めるべきだ」
具体的には、正恩氏が伝えてきた「電話がほしい」というメッセージを
「我々と接触したいという非常に強いシグナル」
というメッセージに解釈すべきだという。その上で、
「状況は非常に流動的で、北朝鮮が『悪魔化』に陥るのを避ける必要がある」
と警告。米朝対話を促進させるべきだと主張した。