「オフィスで働くか解雇か」 米Yahoo!「在宅勤務廃止」が波紋

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「人と人とのつながりからイノベーションが生まれる」

   ただ、創造性を重視して社員を一つの場に集めようとすることはIT企業の集積するシリコンバレーでは珍しくない。Yahoo!CEOのマリッサ・メイヤーの古巣・Googleには、大学のキャンパスを模した巨大なオフィスがある。そこに、無料の食堂やジムが用意されているというのは有名な話だ。

   人材資源管理に詳しい東京理科大学の西村孝史准教授(経営学)はJ-CASTニュースに対して、「人と人とのつながりからイノベーションが生まれる」と前置きした上で、在宅勤務では「Face to faceと違い、言葉のニュアンスや意味合いが通じず、即興性が生まれ辛い」と指摘した。ワーク・ライフ・バランスで得られた家族の時間が創造性に寄与することも確かにあるが、オフィスで生まれるものとは質が異なるという。

   一方で、一つの場に集まって、悩み相談やアイデアの共有が比較的しやすい状態をつくることは、従来、オープン・ドア・ポリシーと呼ばれ重要視されてきた。そういう意味では今回のYahoo!の決定は「逆行ではないが、再発見のようなもの」と話す。

   また、日本よりも多様性の強い欧米では、一つの場所に人が集まることで新しいアイデア自体はすぐ出るのだという。ただ、時間がたつにつれてその効果は薄まってしまうため、

「(当初は)多様な人を分散させることによってアイデアを得ようとしていたが、予想以上に上手くいかなかったので、今度は振り子を戻したという形でしょう」

との見方を示した。

   在宅勤務の普及・啓発活動をおこなう日本テレワーク協会では「在宅勤務は、『全くやらないか、無制限にやるか』『0か、1か』というものではなくて、柔軟な働き方のひとつとして、状況に応じて効果的に実施できるものだと考えております」とし、その上で「(Yahoo!の)今回の見直しによって、どのような影響が出てくるのか、注目していきたい」とコメントした。

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