親しみにくい感じは否めない
「誰かドロイド君と対戦させてくれ」――こんな声も複数出ている。
ドロイドくんとは、Androidの公式キャラクターだ。スターウォーズのキャラクター・R2-D2に触角が生えたような形状のロボットで、人気が高い。ファンの間ではアップルのりんごマークと戦い、勝利する画像などもつくられている。
また、iOSも公式キャラクターこそいないものの、音声操作機能「Siri」が日本上陸時に大ブームを巻き起こし、擬人化キャラクターがつくられ親しまれてきた。FirefoxOSには兄貴分のウェブブラウザ「Firefox」のマスコットキャラクター「フォクすけ」がいる。
それらと比べると、確かにTizenの公式キャラクターは親しみにくい感じは否めない。「キャラクターは効果的なマーケティングのツールなんだけどこれは…」と先行きを危ぶむ人もいた。
Tizenは、日本をはじめ韓国、アメリカのほか、台湾、フランス、スペイン、イギリスなど、各国の通信会社とメーカーがコンソーシアムを組んでいる。サムスンが2013年にTizen対応端末を発表する予定で、NTTドコモやフランスのOrangeではこれの13年内の発売を目指す。
米調査会社IDCが2013年2月14日に発表したところによると、12年のアンドロイドを搭載したスマートフォンは全出荷台数の68.8%。一方、iOSのシェアは18.8%だった。この2つのOSを合わせたシェアは87.6%に達し、ブラックベリーやマイクロソフトに大きく水をあけている。
13年、さらに激化することが予想されるこのOS戦争に、Tizenはどこまで食い込むことができるか。そして、イメージキャラクターが並み居るライバルを押しのけ愛される日は来るのか、それとも、あえて「不気味さ」をウリに、寡占状態のモバイル用OS市場に殴り込みをかけ、強烈な存在感をアピールしようというのか。スマホ端末の戦いもからんで、要注目だ。