WBC「侍ジャパン」貧打続きで大ピンチ 3連覇どころか「1次ラウンド通過」も不安

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   開幕が近づいてきたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、3連覇を目指す日本代表が今ひとつさえない。これまで4試合の強化試合をこなしてきたが、打線がサッパリなのだ。

   スタメンに名を連ねる強打者たちが、ことごとく打てない。チームを引っ張る阿部慎之助捕手(巨人)はとうとう、打率1割を切ってしまった。

主軸の「巨人トリオ」そろって「打率0割台」

   「侍ジャパン」の打線低迷が深刻だ。強化試合として行われた2013年2月26日の阪神タイガース戦では、わずか3安打で無得点と散々。24日の豪州代表との試合では13安打10点でファンをホッとさせた矢先だった。

   4試合中2試合は零封されての敗戦と、不安が募る。なかでも打線の軸となる「巨人トリオ」の不振が目立つ。2012年セ・リーグ首位打者の阿部選手はここまで12打数1安打、坂本勇人選手が11打数1安打、長野久義選手にいたっては16打数1安打と3人とも打率が「0割台」、バットが湿りっぱなしなのだ。山本浩二監督は、早くも坂本選手を3番から1番に、内川聖一選手(福岡ソフトバンク)を3番に配置転換したが、テコ入れにはならなかった。

   前回大会が開かれた2009年を振り返ると、本戦に入る前の打線は絶好調だった。今回同様、豪州代表と強化試合が組まれたが、2戦で合計19点をもぎ取っている。本大会では、無得点だったのは全9試合中1試合だけ、逆に5点以上奪ったのは6試合ある。

   スポーツジャーナリストの菅谷齊氏はJ-CASTニュースの取材に、現在の打撃不振の原因は「練習不足」と話す。日本代表のキャンプが召集されたのは2月14日、最初の強化試合となった広島東洋カープ戦はその3日後だった。実は前回大会でも、日程的には今回とあまり差はなかった。ただ菅谷氏は、今回の「侍ジャパン」の中心メンバーに若手が多い点を注目する。経験が浅い若い選手は、コーチらの具体的な指導がないまま短期間のうちに自分だけでコンディションを上げていくのが難しいようだ。好不調の波が激しいのも、「伸び盛りの若手の特徴」と言う。「試合を見ていても、『ここで打たなければ』と結果を欲しがってばかりで、形になっていない」と苦言を呈する

   ベンチワークにも首をかしげる。当初の構想だった「3番・坂本」を最初の2試合であっさり撤回してしまったのは「どんなデータに基づいて決定したのか、理解できません」。

ベテランや「天才肌」が突破口を開く?

   山本監督は、スモールベースボールを追求するとしながらも最終メンバーからふたりの「盗塁王」を外した。「そもそも打線に抜群の破壊力を望めないので、足を絡めた攻撃を志向していたはず。走力を失い、そのうえ打線も上向かないのでは打つ手がありません」と、首脳陣の迷走ぶりを厳しく指摘する。

   3月2日には1次ラウンド最初のブラジル戦を迎える。日本代表にとって「待ったなし」だ。状況の打開は簡単ではなさそうだが、菅谷氏は「稲葉篤紀選手(北海道日本ハム)のようなベテランに頼らざるをえないでしょう。また4年連続で3割をマークしている糸井嘉男選手(オリックス)を、もっと上位で使ってほしい。ああいう『天才肌』の選手が突破口を開く可能性はあります」と提案する。

   頼みの投手陣も、先発の両輪として山本監督が期待する田中将大投手(東北楽天)と前田健太投手(広島)が共にピリッとしない投球が続いている。菅谷氏は、「ここまできたら、コーチ陣が選手にあれこれ指導している段階ではなく、好きにやらせるべき」と注文をつける。初戦で顔を合わせるブラジルは、大リーガーを擁する強豪、パナマを予選で下して出場切符をつかんだ。「すべては最初の試合にかかっています。負けたら大変なことになる」。前回覇者の「侍ジャパン」だが、1次ラウンドから気の抜けない試合が続きそうだ。

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惜しくも決勝で敗れて準優勝
決勝ラウンドに進むも4強どまり
予想外の2次ラウンド敗退
あ然、1次ラウンドで散る
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