ベテランや「天才肌」が突破口を開く?
山本監督は、スモールベースボールを追求するとしながらも最終メンバーからふたりの「盗塁王」を外した。「そもそも打線に抜群の破壊力を望めないので、足を絡めた攻撃を志向していたはず。走力を失い、そのうえ打線も上向かないのでは打つ手がありません」と、首脳陣の迷走ぶりを厳しく指摘する。
3月2日には1次ラウンド最初のブラジル戦を迎える。日本代表にとって「待ったなし」だ。状況の打開は簡単ではなさそうだが、菅谷氏は「稲葉篤紀選手(北海道日本ハム)のようなベテランに頼らざるをえないでしょう。また4年連続で3割をマークしている糸井嘉男選手(オリックス)を、もっと上位で使ってほしい。ああいう『天才肌』の選手が突破口を開く可能性はあります」と提案する。
頼みの投手陣も、先発の両輪として山本監督が期待する田中将大投手(東北楽天)と前田健太投手(広島)が共にピリッとしない投球が続いている。菅谷氏は、「ここまできたら、コーチ陣が選手にあれこれ指導している段階ではなく、好きにやらせるべき」と注文をつける。初戦で顔を合わせるブラジルは、大リーガーを擁する強豪、パナマを予選で下して出場切符をつかんだ。「すべては最初の試合にかかっています。負けたら大変なことになる」。前回覇者の「侍ジャパン」だが、1次ラウンドから気の抜けない試合が続きそうだ。