気動車だと1両でも運行できて経済的
国内の旅客鉄道の歴史では、実は電車で運行されていた路線が気動車に切り替わるのは初めてではない。一例が、04年の九州新幹線の開業にともなってJR九州から鹿児島本線の一部(八代-川内(せんだい))を経営移管された第三セクター鉄道の肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)だ。この区間は元々JR九州の電車が走っていたが、移管にともなって小型の気動車が新たに導入された。おれんじ鉄道によると、気動車化の背景には(1)電車の場合は複数の車両を連結しないと運行できないが、気動車では1両でも動かせて効率的(2)当時は軽油の価格も安く、ランニングコスト面でも有利、といった利点があったという。小規模な鉄道は気動車の方がコストパフォーマンスが良いという判断があったようだ。
なお、同社の路線自体は全線電化されたままで、熊本や鹿児島から乗り入れてくる貨物列車が利用している。