円相場、このまま円安が続くのか 期待先行と口先介入には限界が

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「G20により外債購入は禁じ手になった」

   これらの発言を受け、外国為替市場の円相場は、2月18日の安倍発言を受けて1ドル94円前後となったのが、19日の麻生発言後は93円台半ばへと円高にふれるなど、一喜一憂する騒ぎになっている。

   その後も、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を中心に、日米首脳会談での成果や、次期日銀総裁として黒田東彦アジア開発銀行総裁が内定したとの報道もあり、25日の相場は大きく円安にふれた。

   ところが、翌26日にはイタリア総選挙で、財政再建路線の継続を掲げた中道左派連合による政権成立が難しくなったことから、東京外為市場の円相場は前日比2円程度、円高・ドル安の1ドル91円台で推移。対ユーロでも同4円程度の円高・ユーロ安の1ユーロ120円前後と、急激に円高に動いた。

   イタリアの信用不安が高まれば、欧州の債務危機への再燃懸念が強まり、市場にも再び円高進行の気配が漂うことになる。

   こうした神経質な展開が今後も予想されるなか、市場では「G20により外債購入は禁じ手になった」(エコノミスト)との見方が支配的。露骨な口先介入も「やりにくくなった」(金融筋)との声が多い。「現時点ではまだ経済政策の実績がないまま、期待先行と口先介入で円安を演出しているだけ」(エコノミスト)といわれる安倍内閣にとって、難しい舵取りが続く。

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