新興国ファンド、日本株よりも「上がりやすい」傾向
投資信託協会によると、アジアやオセアニアの株式や債券に投資するタイプの商品は、「続々と登場してきています」というが、まだ本数は少ない。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の伊藤亮太氏は、「外国投信は、格付けがよくなって、経済見通しがよくならないと、なかなか設定されません。(投信会社が)販売するには早すぎると考えるようです」と説明。フィリピンやインドネシアなどに投資するファンドが少ないのはそのため。
しかし、そこが「狙い目」でもある。たとえば、インドネシアは2012年こそ貿易赤字に転落したため、通貨ルピアの価値が下落したが、13年は米国や中国の景気回復を背景に輸出が好調、黒字が期待できる。円安・ルピア高になれば、ファンドの基準価額も上昇が見込めるというわけだ。
伊藤氏は、「フィリピン経済は好調ですし、そもそもインドネシアは金融危機のときも(経済の)プラス成長を遂げた国です。今だから期待できる国と考えれば、先行投資するメリットはあります」と話す。
投信は株式投資と異なり、長期投資が基本。相場に上げ下げはつきものだ。伊藤氏は、「新興国ファンドはリスクもありますが、日本株よりも上がりやすいともいえます。個人の場合は10年くらい、1万円ずつでもこつこつと投資して、一方で持ちすぎず、『目標に到達したら売る』というようなことも考えて投資するのがいいかもしれません」と、アドバイスする。