外資系の参入、「簡単でない」
J‐REIT市場には投資資金の流入が続いている。不動産証券化協会によると、2013年1月だけで2件の新規公開(IPO)を含む6件の公募増資が公表され、資金調達の総額は2536億円に達した。これは12年1年間の実績(4964億円)の半分超にもなる。
「オフィスビルの賃料も底打ちしたことで、売買が成立しやすくなってきました」(前出の関大介氏)と、物流施設と同様にオフィスビルへの投資も活発化しつつある。
日本の不動産市場が上向いてきていることは確かなようだが、大型、しかも外資系投資法人のIPOは今後さらに勢いづくのだろうか――。
関氏は、「残念ながら、そう簡単ではない」という。「NPRもGLPも、10年前から日本の物流施設(物件)に投資していました。突然やってきてIPOしたい、といっても難しいでしょう。加えて、現物の不動産市場が動き出すには時間がかかります。現物投資には長期資金が必要になりますから、米系の投資法人でいえば、『財政の壁』への懸念が払拭できないと積極的にはなれません」。