「すみません」連発が置き換わった?
かつては、事あるごとに「すみません」を連発するケースが見られたようだが、あまりポジティブな印象を与えない言葉のためか、いつしか「ありがとう」に置き換わった可能性を長尾氏は指摘する。相手に不快な思いをさせない「便利な言葉」かもしれないが、「言葉は気持ちを伝えるツール。適切な場面でないのに連呼していると、その言葉が本来持つ『重み』が失われてしまいます」という。こうなると実際に感謝すべきシーンで「ありがとう」を使ったとき、相手に「本当にそう思っているのか」「また口癖で言っているだけでは」と、真剣さを疑われかねない。
まるで条件反射のように「ありがとう」を口にするのは「改めた方がよいでしょう」と長尾氏。意識しないと直りにくいため、まずはそれぞれの場面に応じてどう返答するのがふさわしいか、ボキャブラリーを整理するのが大切のようだ。ひとりで考えても思い浮かばないので、周囲の人を観察しながら、最適な表現は何かを学びとるのが有効だという。身につけた言葉の意味合いを理解したうえで、状況に適した語句を使ってほしいとアドバイスする。