遠隔操作事件でえん罪の可能性訴える 江川紹子の弁護士インタビューが注目集める

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若狭勝氏「証拠はあるはずだが、有罪かは疑問」

   警察や検察は、事件捜査に当たって、公判維持のために「隠し球」を持つことがあると言われる。今回、猫に首輪を着けたかどうかを巡って、写真などの隠し球を用意しているという可能性はないのか。

   この点について、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、「隠し球があるかはよく分からない」としながらも、何らかの証拠はあるのではないかとみている。

「今回は、遠隔操作による誤認逮捕の流れで来ています。ここでまた間違えて証拠もないのに作り上げて逮捕するようですと、警察の威信は地に墜ちてしまいます。そこまでリスキーなことはしないはずで、どんなものかまだ分かりませんが、少なくともそこそこの証拠があるのではないでしょうか」

   ただ、若狭氏は、起訴をして有罪に持ち込むのに十分かは、疑問の余地があると指摘する。

「たまたま犯人がバーチャル空間から表に出てきたことがきっかけですが、防犯カメラなどからの状況証拠では、必ずしも犯人だとは断定できません。もし共犯者がいて、頼まれてやったと弁解すれば、立証が難しくなる可能性があります。サイバー犯罪は、ネット上の分析で特定することが立証を固くしますし、本来は望ましかった。FBI捜査で分かることもないではありませんが、それで有罪になるかは何とも言えませんね」

   弁護側は警察やマスコミを批判しているが、それについては、若狭氏も理解を示す。

「録音・録画を弁護人が要求したら、やらないといけないと思いますね。痛くもない腹を探られることにもなりますし、警察や検察も自分たちの助けにもなりますから。えん罪の可能性があるわけですので、マスコミも警察の捜査を鵜呑みにするのではなく、もっと監視を強めていくことが大事だと思いますよ」
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