欧州で発売の「酔い覚まし飲料」には批判も
二日酔いの状態を改善する胃腸薬なら、既に広く販売されている。海産物や一部の野菜、果物、さらには十分な水分補給も二日酔い解消に有効にはたらくそうだ。だが、アルコールを即時に分解するような「酔い覚まし」の方法は存在しないと言われてきた。それだけに今回の実験結果は画期的に思える。
実は、「アルコールを短時間で分解する」とうたう製品が、過去に欧州で売り出されていた。ベルギーの飲料メーカーが2010年に発売した「Outox」という缶入りの栄養ドリンクだ。メーカーの公式サイトを見ると、原料には、病院で血中アルコール濃度が高い患者の治療に使われるフルクトース(果糖)、クエン酸、抗酸化作用のある成分を使用し、肝臓でアルコールを分解する酵素をつくりだす手助けをするのだという。
個人差があるが、飲酒後にこのドリンクを飲むと45分~1時間で血中アルコール濃度を最大限低下させ、二日酔いを防ぐと説明している。効果を証明するための実験結果も、サイトで公表している。
だが発売時は、専門家からその効果が科学的に立証されていないといった指摘や、飲酒運転を助長するものだとの批判が起きたとAFP通信が2010年6月18日に伝えていた。アルコール問題を問う団体代表による、血中アルコール濃度を下げられる飲料が開発できたのなら「ノーベル賞もの」との皮肉めいた発言も紹介されている。