処女航海で沈没した悲劇の豪華客船「タイタニック」のコピー版の建造が中国で開始される。
「タイタニック2号」と名付けられ、「タイタニック」と同じイギリス―アメリカ間で2016年に就航することをめざすという。
「氷山にぶつかるどころか、港を出る前に沈んだとなるんじゃ…」
「タイタニック2号」の建造計画をぶちあげたのは、オーストラリアの大富豪、クライブ・パルマー氏だ。現地紙によると、発表会見がマカオで現地時間2013年2月16日に開かれ、700人ものゲストがつめかけた。
建造はタイタニック号沈没100周年を記念したもので、オリジナルの寸法やデザインを忠実に再現するという。
ただ、一般にはタイタニックは氷山に衝突して沈没・多数の犠牲者を出した豪華客船と言うイメージが強く、縁起がいいとはいえない名前だ。その上、中国製の豪華客船といえば11年に進水式でいきなり沈没した「酒鋼号」も記憶に新しい。
「世界の注目を受ける船を完成させる自信がある」――建造を請け負った中国の長江航運集団金陵造船所は中国メディアのインタビューに応じてこう話したが、2ちゃんねるなどではすでに心配の声が相次いでいる。
「氷山にぶつかるどころか、港を出る前に沈んだとなるんじゃ… 」
「これって、どういうこと?『きちんと正確に沈没する船を造ってくれ』っていう発注を受けたってことなの?」
こうした不安に答えるかのように、パルマー氏は安全対策についてオーストラリアのサンデー・メール紙に話した。
タイタニックの悲劇については、乗員数に対する救命ボートの不足も事故後の検証で指摘されている。このため、オリジナルにはない新たなデッキを設け、動力付きの救命ボートを多数配置するという。パルマー氏は「海上で何が起こっても生き残れるように」と強調。また、これとは別に、本来は必要ないがオリジナルのタイタニック同様の700人分の救命ボートも備え付けるそうだ。