朝鮮戦争で行方不明になった米兵の遺骨捜索について協議
東亜日報も、11月29日の記事で4月の極秘訪朝について伝えている。同紙によると、12年で2回目の極秘訪朝は8月に行われた。8月17日に米空軍機がグアムから4月と同様のルートで平壌に向かい、高官は4日間にわたって現地に滞在。平壌を出発したのは8月20日だった。米国側は、11月の大統領選前に挑発的な行動を取らないように求めた模様だ。オバマ政権が北朝鮮との対話チャンネルを確保する狙いもあったとみられる。
訪朝した高官の名前ははっきりしないが、2回の訪朝ともに取りざたされているのが、国家安全保障会議(NSC)のシドニー・セイラー朝鮮半島担当部長。国務省よりもホワイトハウスの意向が強く働いているようだ。
この2回以外にも、朝日の記事によると、11年11月にもフライトが行われ、朝鮮戦争で行方不明になった米兵の遺骨捜索について協議したという。日本政府は3回とも訪朝について把握していなかったといい、後に「空軍基地などを観察する愛好者からの通報や飛行計画」などで把握。米軍に説明を求めたところ、11年11月のフライトについては非公式な説明があったが、残り2回については、
「米国は『インテリジェンス(諜報)の問題』として不快感を表明。米国務省は日本外務省に『これ以上の問い合わせは両国関係を損ねる』と警告したという」
と報じている。
ただ、日本政府の把握状況については事実確認はされていない。
菅義偉官房長官は2月15日午前の会見で、朝日新聞の報道に対する認識を問われ、
「この報道についても私どもは承知しているし、米国と日本とのそれぞれのやり取りについては、ひとつひとつ明らかにすることは控えさせてもらいたい。ただ、日米間は緊密に連携してやっているということだけは、はっきり申し上げたい」
と、「蚊帳の外」に置かれているという点については反論したが、米朝の秘密接触については否定しなかった。