9500人削減「富士通よ、お前もか」 「日の丸半導体の終焉」だめ押し

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本業のもうけを示す営業利益は前年並み

   一方で、世界の半導体産業の潮流は、開発・設計と生産が分かれる「水平分業」が進み、特に台湾系はこの生産を請け負う事業でさらに成長を続けた。日の丸半導体各社はすべて自前でやりきる「垂直統合」方式だったこともあり、列島各地に建てた工場を稼働させることによるコスト高が経営を圧迫する。

   こうしたなか、2000年前後から、日立製作所、NEC、三菱電機の3社は事業を切り出して統合する策に出た。3社の切り出しで誕生したのが「DRAM」と呼ばれる半導体専業の「エルピーダメモリ」であり、システムLSIなどを手がける「ルネサスエレクトロニクス」だった。しかし、寄り合い所帯ゆえに思うように効率化は進まず、エルピーダは12年2月に会社更生法適用を申請し、ルネサスは12年末、産業革新機構傘下で再建を目指すことが決まった。

   富士通はリーマン・ショック以降、パソコンや携帯電話機器の市況悪化、これに伴う半導体など電子部品の採算悪化に苦しんではいたが、値崩れの激しい液晶テレビは手がけていないし、何よりITシステムのような金城湯池の官公需が利益を支えてきた。実際、リストラ費用で最終赤字にはなるが、本業のもうけを示す営業利益は前年並みの1000億円を確保する見通し。

   電機メーカーの中では恵まれた位置にあった富士通だが、その富士通までが半導体事業をリストラせざるを得ないところに追い込まれた、という意味で「日の丸半導体の終焉」を印象づけるものとなった。

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