他人のパソコンをウィルスに感染させ遠隔操作し犯罪予告を出したとして逮捕された片山祐輔容疑者(30)が、ネットの掲示板やブログ、ツイッターで思わぬ「人気者」に祭り上げられている。
それは、名前が祐輔であり、その風貌や経歴などが掲示板「2ちゃんねる」で生まれた架空の人物「ゆうすけ」のイメージにきわめて似ていたからだ。ネットでは「リアルゆうすけが存在していた!」と驚く人や、片山容疑者の逮捕後の近況を報告する「ゆうすけ速報!」なるブログを立ち上げる人も出ている。
イメージは小太りの引きこもりで「パソコンの大先生」
「2ちゃんねる」から生まれた有名なキャラクターは「のまネコ」「ようかんマン」「やる夫」などがあり、また、ベストセラーとなった「電車男」といった物語もある。2008年頃から盛り上がったのは、世相を反映した架空の人物を設定し、その生い立ちや生活、行動などを「2ちゃんねる」ユーザーが勝手に想像して議論するという遊びだ。
その人物の一人が「ゆうすけ」で、イメージは年齢が30歳前後、無職の引きこもりでコミュニケーション障害、小太り、ネットばかりやっている、という感じだ。このイメージを元に様々な物語(文章)が作られた。例えば、
「ゆうすけ、あんたはね、ネットだけの知識で頭でっかちになってるよ。2ちゃんねるで取り入れた知識を偉そうに私やトーチャンに話してるけど、働いたこともないあんたが言うと滑稽なんだよ」などと書かれてきた。
「ゆうすけくん。自信を持って。大丈夫、就職できるから。諦めないでね。就職すれば結婚も出来るから。そうすればお父さんもお母さんも安心するでしょ?」
「ゆうすけ、何で同じ兄弟でここまで違うかねえ。不思議だねえ」
また、「ゆうすけはパソコンの大先生だもんな」というものもある。この「パソコンの大先生」は「ゆうすけ」の飾り言葉のようになっていて、良いイメージで使われていない。