高橋洋一の自民党ウォッチ
「底浅い」政治部の補正予算報道 維新の会賛成の「深層」描かず

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「組み替え動議」出すべきだった維新の会

   一方、日本維新の会は、7割賛成だから賛成したといっているようだが、そうであれば、異論がある3割はどこなのかを明らかにするために組み替え動議等を出すべきだった。外部から見ていると、100%賛成にしかみえない。

   予算は政策の数値化なので、従来との整合性が求められる。例えば、与党・政府の補正予算案で年金国債発行2.6兆円を財源としているが、これは将来増税とセット。だから、増税に反対するなら、みんなの党のように「年金国債発行なし」としなければいけない。予算で具体的な批判ができないようなら、きちんとした政策を持っているとはいえないのだ。

   日本維新の会は発足して間もないので、党として補正予算案を十分に精査する時間がなかったのだろうが、先の総選挙で与えられた議席数を考えると、少なくとも組み替え動議を提出して、どこに反対でどこが賛成かという党のスタンスを明らかにすべきだったのではないか。

   マスコミも、補正予算という各党の政策スタンスを明らかにするリトマス紙がありながら、それを十分に報道できなかったので残念だった。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2005年から総務大臣補佐官、06年からは内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」(講談社)など。


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