過密スケジュールについて「うちの子はどんどん代わるから…」
さらにスケジュールの過密さも異様だった。若手メンバーが集まった「アンダーガールズ」の曲「Waiting room」のMVでは、撮影前日20時、AKB48専用のレコーディングスタジオに秋元氏から歌詞が届き、仮歌を録音する作業が始まった。メンバーが集まってレコーディングする時間がないので、仮歌用にスタンバイしていた歌手がその場で曲と詞を覚えてレコーディングした。
21時30分過ぎ、振付師にこの音源と歌詞が届けられ、そこからMV用の振りを作り、朝6時から撮影現場でメンバーに振りを入れる。これでも振付師の武田舞香さんは、「今回まだ早い方」と言っていた。
チームKのMVでは撮影当日の朝、チームBはそこから数時間後に歌詞が仕上がった。撮影現場では当日になってからのスケジュールの変更など必死で対応し、何とか間に合ったということだ。
ここまでギリギリのスケジュールになってしまうことについて、キングレコードの湯浅順司氏は「うちの子はメンバーがどんどん代わるので、あまりにも前に撮っちゃうと旬がどんどんずれちゃうと思うんですよね」と説明した。
メンバーの舞台裏はこれまでドキュメンタリー映画化されるなど、ファンが目にする機会も多かったが、スタッフの舞台裏がここまで知られることはなく、視聴者の間に衝撃が広がった。
インターネット上では、「akbのシステムって、異常な速さで動いていた。だから凄いんだね。でもこれは持続可能なのか、疑問になった」「やすす(編注:秋元氏のあだ名)がカスだからこんなスケジュールになってるんだろ こんな振り回されてるから曲渡してないなんて凡ミスやらかす」「PVスタッフに曲が行ってなかったのは曲担当の信じがたい失態だと思ったけど、その後の詞の遅れっぷりはそれどころじゃなかったよね」「スタッフ全員いっぱいいっぱいのままで妥協を重ね始めると信じられないような杜撰な管理が罷り通るよね」などの感想が書き込まれている。