過去には「ミス福岡」が「親善大使」にかわった例も
実は、一つの事業に4件もの苦情が来るのは、条例手続きにもとづくものに限れば、福岡市では「異例」といえそうだ。
市の男女共同参画を推進する条例は、26条で
「市長は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について、市民等から苦情の申出があった場合は、福岡市男女共同参画審議会の意見を聴いたうえで、必要に応じて、適切な措置を講じるものとする」
と定めている。
市の男女共同参画課によると、この条例にもとづく苦情は「カワイイ区」に寄せられたものを含めても、2006年からこれまでに計9件しかない。
このうち今回と類似する事例として、観光PR事業としておこなっていた「ミス福岡」の「ミス」という言葉が、一般的には容姿を基準とする印象を与えるもので好ましくないとの申し立てを受け、「親善大使」にかわったことがあるそうだ。
では、「カワイイ区」は本当になくなってしまうのか。12日、市の担当者にJ-CASTニュースが話をきくと、「なくなるかもしれない」との報道については「記者の方が実際に会議で出た意見をきいて、そう判断されて書かれたのでしょう」と否定も肯定もしなかった。
ただ、9日にあった男女共同参画審議会の部会で「廃止も含めて大幅な見直し」といった言葉が出たことは認めた。その上で、21日にふたたび同じメンバーで審議した上でとりまとめられる答申が出るまで、どうなるかはまったくわからないと強調した。
「カワイイ区」事業を担当する市広報戦略課も、「審議の結果を待ちたい」とコメントするにとどめた。現時点では通常通り、来年度の事業予定をたてているという。