「生きてるのが奇跡だな」
不幸中の幸いだったのは、ライブの盛り上がりのため、観客のほとんどが立ち上がってステージを見ていたことだった。落下した照明が落ちたのは、ちょうど無人の座席だった。とはいえ、直撃こそ避けたものの照明は客席にバウンドし、近くにいた観客の1人に激突した。
すぐにスタッフなどが駆けつけ、あたりは騒然とした雰囲気に。居合わせた人のツイッターによれば、スタッフからは「生きてるのが奇跡だな」というつぶやきも漏れたという。この観客は肩と頭を打撲していたものの幸いケガは軽く、搬送された病院からもその日のうちに帰宅できたそうだ。
東京国際フォーラムの担当者は、沈痛な声でこう話す。
「こうした事故は想定していなかった。問題の照明についても、現在のところこれといった落下の兆候があったという情報はありません。現在、詳しい原因を調査中です」
また照明付近の席にいた観客からは、他の照明が同様に落下する可能性を考えて、ライブを中断させてでも別の席に避難させてほしかった、との不満も。これについても担当者は、ケガ人の救護に追われるあまり、そこまで手が回らなかったことを認めた。
会場ではライブ終了後、照明の安全確認を行うとともに、落下防止用のワイヤーを新たに複数かけ、万が一再び金具が外れても落下することがないよう処置を行ったという。そのため翌11日以降は、アイドル「ももいろクローバーZ」のライブが行われるなど、通常通りの営業を行っている。
なお戸松さんは12日夕時点で、今回の事故については触れていない。