通常のレーダーと、火器管制用とでは動き方が全然違う
こうした「自作自演」説に安倍晋三首相は8日夜、テレビ番組「プライムニュース」(BSフジ)で中国側に謝罪を求める考えを示した。小野寺防衛相も9日朝、「みのもんたのサタデーずばッと」(TBS系)に出演し、中国側が主張するような通常のレーダーと、火器管制用のレーダーとでは装置の動き方が「全然違う」ことを指摘し、
「これは私ども、しっかり映像・写真で撮ってあります」
と、捏造はありえないことを強調した。
さらに別の番組で、証拠となる写真や映像の公表を検討していることを明らかにした。
なぜ中国側はこうした苦しい言い訳に出たのか。1つの理由として推測されているのが、反日的世論の強い国内への配慮だ。
一見「強硬」に見える中国側の態度だが、8日の会見でも外務省報道官は「対話による解決という正しい道に戻れ」と述べており、前述の環球時報も8日、とげとげしい論調ながら「日中全面戦争はありえない」との社説を掲載した。
ただ、こうした中国の姿勢に日本側も不信感を強めていて、「雪解け」には時間がかかりそうだ。