「日本を舞台にするか世界を舞台にするかの選択なんです」
増加の背景として、ルートHの担当者はリーマンショック以降グローバル化が進んだことと、東大の秋入学などの議論もあって、海外留学が社会の一つの流れになっていることを挙げた。
東日本大震災以降その流れが顕著になり、就職を含め社会が不確実な中で日本に留まるリスクが海外へ行くリスクと比較できるほどに大きくなった。そのため、海外大学への進学が選択肢に上がりやすくなったのだという。また、SNSの拡大により、現地に留学している先輩の声を直接ききやすくなったことも要因として考えられるそうだ。
アメリカの有名大学への進学は、日本かアメリカかの選択にとどまらず、「人生の舞台を日本にするか世界にするかの選択なんです」と力説する。
また、全体的な傾向としても海外大への留学志願者数が増えていて、とくにここ1~2年の伸びは目を見張るものがある。
ベネッセでは「ルートH」とは別に、日本の高校から海外の大学を受験することを支援する「海外大学留学支援センター」を運営している。12年4月の時点で、同センターの支援で海外大に進学した人の数は135人。前年の25人から大きな伸びを見せた。今年は200人ぐらいになるのではとも言われているそうだ。
数年前はハーバード志願者が1桁になるなど「内向き」と指摘されていた日本だったが、裾野の広がりも含め「内向きから外向きへ、現場の感覚ではもう変わってきていると思いますね」と話していた。