マクドナルド社長「値上げ検討」 「100円マック」消滅の日は近そう

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   長引く不況下でも堅調に業績を伸ばしてきた日本マクドナルドに、ブレーキがかかってきた。2012年12月期の連結決算が減収減益となったのだ。

   外食市場は東日本大震災以降、ある程度回復した。だがファストフードは成長軌道にいまひとつ力強さがない。原田泳幸会長兼社長は、不振からの脱却のためにこれまでの路線から一転、商品の値上げを検討していると話す。

外食産業全体でも、中長期的に見て市場が縮小

値上げは現実となるだろうか
値上げは現実となるだろうか

   日本マクドナルドホールディングスが2013年2月7日に発表した2012年12月期連結決算は、売上高が前年比2.5%減の2947億円、営業利益は同12%減の247億8000万円、経常利益は同13.9%減となる237億7000万円となった。9年ぶりの減収減益となる。原因について同社は、外食市場の落ち込みによる既存店の売り上げの低下、「戦略的閉店」に伴う費用を挙げた。

   季節限定商品の投入や朝食メニューの強化、ハンバーガー類の100円販売と、マクドナルドでは顧客獲得のために多彩な仕掛けを施して購買欲を刺激し、デフレ経済下の「勝ち組」と言われた。それでも2012年は外食、特にファストフード市場全体の低迷の波にのまれてしまったようだ。

   国内の外食産業約850社が加盟する日本フードサービス協会はJ-CASTニュースの取材に、「2012年はファストフード業界が全般的に苦戦しました。業績は(企業によって)まちまちですが、全般的に力強い成長はみられませんでした」と話す。

   協会が1月25日に発表した「外食産業市場動向調査」の2012年データを見ると、ファストフード全体の売上高は前年比101.1%と回復基調となった。中でも「麺類」や「和風」の業態は比較的好成績だったのに対して、マクドナルドが分類されている「洋風」だけが唯一、同99%とわずかながら前年割れした。東日本大震災の影響が残っていた2011年よりも、売上高が落ちた格好だ。客単価も同95.6%と減少している。

   外食産業全体でも、中長期的に見て市場が縮小を続けているという。2008年のいわゆる「リーマンショック」で一気に冷え込み、その後やや回復しかけたが2011年の東日本大震災で激しく落ち込んだ。健闘していたマクドナルドだが、原田氏は決算発表の会見で「外食ではなく持ち帰りやデリバリーの利用者が増えた」と市場の変化を指摘。これまでは「100円マック」に代表される低価格が集客のうえで効力を発揮していたが、

「値上げも検討しなくてはならない。どのタイミングで値上げするか探っている」

と、路線変更を示唆したのだ。

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