8月中旬メドに安倍-習トップ会談の動き 公明・山口代表、「新しい変化感じ取っている」

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   公明党の山口那津男代表は2013年2月7日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、中国共産党の習近平総書記への権力移行で、日中関係改善に向けた変化が起こっているとの見方を示した。レーザー照射問題が軍の独断で行われた可能性を念頭に置いているとみられる。

   山口代表が1月上旬に習総書記と会談した際、習総書記が安倍晋三首相との首脳会談を「真剣に検討したい」と述べたことを受け、8月中旬の実現を目指す考えも明らかにした。

尖閣「棚上げ論」は否定

講演する公明党の山口那津男代表。8月中旬には日中首脳会談を目指す考えを明らかにした
講演する公明党の山口那津男代表。8月中旬には日中首脳会談を目指す考えを明らかにした

   山口代表は、尖閣諸島問題をめぐり「棚上げ論」を唱えたと指摘されたが、講演では、

「私自身が棚上げという言葉を使ったことはない。政府、与党として主張は一貫している。日本側が『棚上げすべき』とか、それで合意したということはない。しかし、両国の関係が困難に陥ったときに、中国の方々は、その知恵を働かせた」

と釈明。海上自衛隊へのレーダー照射問題についても、「自制を求める」と述べた以外には、明確な中国批判を避けた。山口代表が習総書記と会談したのは1月25日で、1度目の照射の6日後だ。この点については、

「19日と30日の件では、(日本政府の)説明の仕方も言葉も違っている。そういう慎重な発表になっているということで、どういう対応を政府が考慮してきたかは類推できると思うので、それ以上のことは私は申し上げない。いずれにしても、こういう事態が起きないように努力していくことが大事で双方の仕組みを作っていくことが必要」

と話した。

「2年続けて、日中の節目の重要なチャンスを失敗させる訳にはいかない」

   12年は日中国交正常化40周年だったのに続いて、13年は日中平和友好条約締結35周年にあたる。山口代表は、

「2年続けて、日中の節目の重要なチャンスを失敗させる訳にはいかない」

と強調。1月30日に人民日報に掲載されたという習総書記の講話を引き合いに、

「緊張を緩和させよう、関係を緩和させようという主張がなされている。こういう主張が、就任早々の習総書記から出されたことに、新しい変化を感じ取っている」
「人民日報で講話として載ったということは、国内に対する意味もあると思う」

と、「雪解け」が進むとの見方を示した。在日中国大使館のウェブサイトによると、習総書記は1月28日の中央政治局の集団学習会で、

「中国の発展は絶対に他国の利益を犠牲にするものではないし、われわれは絶対に人の利益を損ない、隣国に災いを押し付けることをしない」

と述べている。山口代表の発言は、これを念頭に置いているとみられる。

終戦記念日の靖国首相参拝は見送り求める

   関係改善の象徴とも言える首脳会談の時期についても、山口代表は

「我々から時期を言う訳にはいかないが、条約締結の日(8月12日)をひとつのポイントにして、できるだけ早い期間に達成することが望ましい」

と言及した。条約締結記念日の3日後には終戦記念日を迎える。安倍首相が第1次内閣の任期中に靖国神社を参拝しなかったことを念頭に、山口代表は

「習近平総書記が(会談)冒頭に、戦略的互恵関係を築いてきた安倍総理の(第1次内閣)当時の努力を評価したということの中には、そうした対応を含めて評価されたのではないか。そこは、安倍総理が賢明に判断するだろうと思っている」

と、参拝を見送るように強く求めた。

   山口氏が習総書記と会談するのは、野党時代から数えると、これで4回目。習総書記の印象については、

「非常に、落ち着いて穏やかな話しぶり。過去の会談の中では、非常にやわらかい、にこやかな表情を見せたことも何回もあった。今回の訪中では、冒頭の場面では、やや硬い表情に思われたが、実際の会談の中ではおだやかに対話ができたと思っている。そういう点で、非常に強硬に物事を力ずくで進めるという印象は持っていない」

と話していた。

   会談では、支持母体の創価学会・池田大作名誉会長から託されたメッセージを習氏に伝え、その反応についても、山口代表は「きちんとしかるべきルートで(池田氏に)伝えた」という。

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