国債発行抑制のカラクリ あの手この手の「マジック駆使」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

12年度補正予算案と合わせると、歳出総額は103兆円

   国債発行を巡る「操作」も繰り出した。財務省は過去5年間、国債金利を年2%に設定してきたが、新年度は1.8%に引き下げた。これによる利払い減で歳出を約3000億円抑制。財務省は「市場の実勢に合わせただけ」と説明するが、金利が上振れすれば予算不足に陥る。

   そもそも、政府・与党も「15カ月予算」を標榜するように、2013年度予算案は既にまとめた2012年度補正予算案と合わせると、歳出総額は103兆円規模、新たな借金も約50兆円に膨らむ。2013年度末の国債発行残高は2012年度末見込み額に比べて37兆円増の750兆円と、過去最悪を更新する見通し。国と地方の債務残高(国債と1年以上の長期借入金の合計)は同35兆円増の977兆円と、国内総生産(GDP)の200%を上回り、悪化したとはいえ100%前後にとどまる米英仏などと比べ、先進国で突出して悪い。

   「大規模な財政出動は、必然的に財政規律への疑念を生じさ、財政健全化に向けた取り組みを同時に示していくことが必要」(経済財政諮問会議民間メンバーの高橋進・日本総合研究所理事長=1月9日の同会議)というのは衆目の一致するところ。安倍内閣も、「2015年度に赤字国債半減、2020年度までに黒字化」という歴代内閣の目標を踏襲すると表明しているが、その具体策が国会論戦でも焦点になる。

1 2 3
姉妹サイト