夏の参院選が話題になり始めているが、民主党の存在感はますます希薄になっている。それもそのはず、トップの腰が引けているからだ。
「まったくどういう状況か分からない」「今の段階ではコメントしかねます」
民主党の細野豪志幹事長は、徳田毅前国交政務官の女性問題について2013年2月4日の会見で聞かれ、こんな発言を繰り返した。
女性問題を追及すると幹事長がヤブヘビ?
それも、記者4人に同様な質問をぶつけられたにもかかわらずだ。政務官の辞任発表から5時間経っており、政権批判のかっこうの材料でもあるはずなのに、こんな状況認識のままであることに記者も疑問を持ったようだ。
細野氏が口ごもる理由としては、過去にタレントと不倫して路上キスする場面が写真週刊誌に報じられたことがあるとみられている。つまり、女性問題を追及するとヤブヘビになるのでできない、ということだ。
また、民主党の海江田万里代表も、政権追及どころではない窮地に立たされている。経営破たんした「安愚楽牧場」を巡り、和牛オーナー制度の出資者が海江田氏を東京地裁に提訴する動きがあるからだ。
海江田氏は、経済評論家時代に、「リスクはゼロ」などと牧場への投資を推奨していたことへの責任を問われている。「20年以上も前のことで、評論の効力はない」と海江田氏側は責任を否定し、2月5日の民事調停でも和解しなかった。しかし、結果として、海江田氏がウソを言っていたことは否めない。そんな中では、アベノミクスの経済政策も批判できないはずだとされているのだ。
このところの民主党は、自民党の補正予算案や日銀総裁人事でも控えめな発言が目立ち、その存在感がなくなりつつある。