スキミング装置をクロワッサンに詰めて密輸企てる
例えば12年9月にはアフリカのウガンダのテレビ局が、4人のブルガリア人がスキミングで逮捕されたことを報じている。その際に、様々な器具が押収されているのだが、その中には「ATMを分解したり、システムを破壊する」ことができるものもあったという。単に「カード情報を抜き取る」にとどまらない犯行に及んでいた可能性もある。
まさに「犯罪が輸出されている」といった様相で、このウガンダのケースでは、容疑者のひとりは隣国ケニアの運転免許を持っており、複数の国で犯行に及んでいた可能性がある。
また、12年9月にタンザニアでスキミングの容疑で逮捕された国籍不明の男は「ブルガリアで訓練を受けた」と供述。それ以外にも、13年2月1日には、ブルガリアの通信社が、ブルガリア税関がドイツとの国境でスキミング装置を押収したことを伝えている。記事によると、スキミング装置は分解され、ブルガリア人旅行者のカバンの中のクスリのビンやクロワッサンの中に隠されていた。
このような手口の犯罪が日本に「再上陸」した、ということのようだ。全国銀行協会の調べによると、偽造キャッシュカードによる預金などの不正払い戻し件数は、05年度の778件(8億1900万円)をピークに減少傾向。11年度には375件(2億3300億円)の被害が確認されている。