「Amazonガチャ」というサービスがネットで「炎上」している。
大学生らによるベンチャー企業が制作したもので、アマゾンジャパンとは無関係、非公式だ。
しかし、名称がアマゾン公式と誤解を招く、商標侵害ではないかなどと騒がれ、開発元は名称変更やサービス自体の停止を検討するまでに追い込まれてしまった。
「これamazonのサービスじゃなかったのか・・・w」
「毎月Amazon上で適当に商品を注文して配送します」―大学生ベンチャーのベアテイルは2013年2月4日、新感覚の買い物代行サービス「Amazonガチャ」を公開した。
決済サービスPayPal(ペイパル)を通じて、毎月定期的に5000円を支払うことで、決済手数料(220円)と買い物代行手数料(280円以下)を除いた4500円以上分の商品が、アマゾンからアトランダムに選ばれ、届けられる。
開発元は、スマホの買い物代行サービスBuypassを展開中。バーコードを読み込むことで複数の通販サイトで価格比較をおこない、最安値で買い物代行するサービスだ。その中で生まれた独自の代理注文技術を応用して「Amazonガチャ」を製作したという。
要するに余興のようなサービスで、どこまで本気だか分からないのだが、ネットでは「誰でもいいから『これに5000円払うメリット』」を俺に教えてくれ」「誰がやるのか」といった批判的な「マジレス」が相次ぐこととなった。
12年夏に「射幸心を煽る」として規制された「コンプガチャ」を連想させる「ガチャ」という言葉のイメージが悪いためと見られる。その上「Amazon」の名称の使用により、「これamazonのサービスじゃなかったのか・・・w」と誤解する人も出て、商標侵害ではないかと、「炎上」状態になってしまった。
「Amazonアホか……と思ったらとんだ風評被害だった」
「これはAmazonさんに怒られる」
開発元「皆様に誤解やご迷惑をおかけしてしまったことに対しては、ただただ反省しています」
こうした件について、ベアテイルは2013年2月6日、J-CASTニュースに、「皆様に誤解やご迷惑をおかけしてしまったことに対しては、ただただ反省しています」と話し、現在商標についてアマゾン側と連絡をとっており、場合によっては名称変更やサービス自体の停止を視野に入れて検討中だと明かした。
また、「ある日突然自宅に10キロの土が送られてきたりするの?」との心配が出ていることについては、可能性としては起こりうるが、そもそも「実用的ではないこと」がコンセプトのため、そういったことを受け入れられる限られた人を対象にしていたと説明した。
なお、アマゾンで一部の商品に対して存在する返品・交換サービスは、「Amazonガチャ」では適用されない。特商法にもとづく返品についてはベアテイルとして応じるという。
ネットには、「1000円ならやってみたかも」という声もないわけではない。なにより発想の斬新さという点では目を引くため、「切込隊長」こと山本一郎さんも、「学生ベンチャーが面白Webサービス.『amazonガチャ』を始めたようです」とのブログ記事を投稿。最近のネットでは既存のサービスと連携して新たなビジネスモデルをつくるのは普通だといい、「この手のただ乗りモデルに対する拒否反応がでるのは自然と感じるものの」と前置きしながら、こうエールを送った。
「ある程度巨人の肩に乗っかりながらサービスの定着具合や反響を試して次のサービス設計に役立てる、ということであれば野心的でいいなとも思います。私にエールを送られたところで何事も起きないかとは思いますが、応援したいですね。買わないけど」