急速にアフリカに食い込んでいるのが中国
経済成長でインフラ関係投資先として、また市場としての魅力も高まっている。発電所建設などが活発化し、住友商事のタンザニア火力発電など数百億円規模の投資案件が相次ぐ。特に、ケニアの地熱発電(豊田通商)、アンゴラのバイオ燃料工場(丸紅)、ナミビアの風力発電(双日)など自然エネルギー関連の投資も活発化している。
市場開拓で目立つのは豊田通商で、アフリカでの事業の売上高を2017年度までに2012年度見通しの2倍にあたる1兆円に増やす計画を打ち出し、このほど、フランスの大手商社CFAO(セーファーオー)を1000億円余り投じて買収。東アフリカを中心にした自動車販売事業などに加え、西アフリカに強いCFAOのネットワークを生かし、車や医薬品の販売を広げる方針という。
だが、アフリカの魅力が高まるほど、各国も活発に動く。元々、アフリカは旧宗主国との関係から、欧州企業の進出が多いが、近年、急速にアフリカに食い込んでいるのが中国。世界中で資源獲得に奔走する一環で、首脳が歴訪するなどの外交攻勢と絡めて存在感を高めている。アフリカへの輸出額は、2000年まで日中ほぼ同額だったのが、2011年は中国が日本の5倍近くに達した。