大阪・天満宮では1000人が一斉に「まるかぶり」
そんな「恵方巻」について、心理学者で、帯広畜産大学の渡邊芳之教授は自身のツイッターで、「恵方巻なんて10年くらい前まで誰も食べていなかった」と、つぶやいた。
そういったことを言わないと、「みんなが日本の古きよき伝統だとか思い始めるぞ」と、勘違いしかねないというのだ。
渡邊氏は、「われわれが『いにしえからの伝統』みたいに思っていることには明治以降とか昭和になってから一般的になったものもたくさんある」
「昔からあるにはあるがごく一部の人しかやっていなかったことが『昔からみんなやっていた』と思われているものも多い」と指摘する。
そんなつぶやきに、「大阪生まれですが恵方巻を知ったのは成人後です」と、関西でも定着してきたのはごく最近になってから、という声もみられる。
定かではないが、「恵方巻」は江戸時代に、大阪・天満の地場産業である乾物屋が海苔の販売促進の一環で始めたとの言い伝えも残っていて、最近では大阪海苔協同組合が天満宮で先着1000人にのり巻きを配って、全員で一斉に「まるかぶり」するイベントが開かれる。
昔から2月と8月は商売の売り上げが伸びにくい時期。いわば、狙いは菓子業界の「バレンタインデー」とあまり変わらないというわけだ。