長谷川洋三の産業ウォッチ
JR東日本冨田社長の危惧:日本の鉄道がガラパゴス化している

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「日本の鉄道技術には必ずしも世界一でないところもある。無線による列車制御システムなどは欧州の方が進んでいる。我々としては単に技術競争をするだけでなく、長所をいかしつつ、海外メーカーとも協力して行きたい」

   JR東日本の冨田哲郎社長は2013年1月23日、日本記者クラブで日本の新幹線の国際競争力について質問した私にこう答えた。冨田社長は「日本の鉄道がガラパゴス化していることを心配している」と国際競争の上で問題があることを認め、「世界に延びる気概を持って内向き文化を外向きに変える必要がある」と指摘した。

期待した米国市場でも成果が出ていない

   JR東日本では東日本大震災を第二の出発点として、技術革新や新事業領域への挑戦などを柱とした2020年までの中期計画をまとめた。その中で世界の鉄道市場は年率2・5%程度成長し、2020年には22兆円に拡大すると試算、海外の鉄道プロジェクトへ積極的に参画することを打ち出した。とりわけアジア大洋州市場では6兆3000億円を見込んでいるが、中国では独自の新幹線計画を打ち出し、ほかの市場でも欧州や韓国メーカーとの競合が激しい。期待した米国市場でも成果が出ていない。「世界一の新幹線」で世界にアピールしたJRもようやく国際市場の現実に気が付き、オープンイノベーションに舵を切ろうとしている。

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