おいしさ「特A」北海道米から2品種
ここ数年、北海道米が注目されたのは、めずらしさや割安感からだけではない。「おいしさ」が高まっていることもある。
評判なのが北海道米の優良品種として採用された極良食味米の「ゆめぴりか」。09年度に市販を開始。同年は収穫量が少ないこともあったが発売後、数週間で完売した、北海道「自慢」のコメだ。
11年からは首都圏などでテレビCMがスタート。知名度がアップした。小売価格も2500円前後と新潟産コシヒカリと互角以上の評価を得ている。
その「ゆめぴりか」は、日本穀物検定協会の2011年の「食味ランキング」で、初登場で最高ランクの「特A」を獲得した。「ななつぼし」も10年、11年と2年連続で「特A」を獲得。どうやら、北海道米は「おいしさ」でも新潟産コシヒカリにも引けをとらない存在になりつつあるようだ。
食味ランキングは同協会が1971年から毎年実施しており、専門家が実際に試食して、コメの外観や味、粘りなど5項目の総合評価で決める。11年米は192の産地品種から、26が「特A」を獲得。そのうちの2品種が北海道米だったことになる。
もちろん、新潟県からも魚沼産や岩船産、佐渡産、中越産のコシヒカリが「特A」を獲得した。
農林水産省生産局は、「北海道産を含め、どの生産地もそうですが、品種改良を重ねるなど、おいしい米をつくる努力をしています。その結果が、食味評価につながっているのだと思います」と話している。
一方の新潟県も、「他の産地も品種改良でよいお米をつくっているので、うかうかしていられないことは認識しています。現在、2017年の市販を目指してコシヒカリの晩生種(収穫の時期の遅い品種)を育成中です」(農林水産部)と、余念がない。