安倍晋三首相の首相就任直前、週刊誌に「千鳥足の醜態を晒した」と報じられるなど脇の甘さが指摘される昭恵夫人に、身の安全を心配する声が出ている。
フェイスブックで、警護官(SP)なしで一人きりでタクシーに乗っていることを明かしてしまったからだ。コメント欄では「くれぐれも気を付けてくださいね」といった声が続出したが、本人は「皆さんの反応に私は逆にビックリです」といい、必ずしも問題だとは思っていないようだ。
タクシー運転手も「え、一人で出歩くんですか?」と驚く
昭恵氏は日々の活動をフェイスブックで公開しており、2013年1月31日午後、
「今朝タクシーの中ての会話『お客さん、安倍総理の奥さんに似てるって言われるでしょ。』『あ、私なんですけど・・・』『え、一人で出歩くんですか?』」
と書き込んだ。単純に、昭恵氏が1人でタクシーを利用していることに対して運転手が驚いたというエピソードを伝えたかっただけだとみられるが、コメント欄には150件以上も反応が書き込まれ、その多くが心配の声だった。
お笑いコンビ、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんも、
「1人で出歩いていいんすか?」
と書き込んだが、昭恵氏は
「あつしみたいに有名じゃないんでみんな気がつきません」
と意に介さない様子。かえって田村さんの方が、
「いやいやファーストレディー!気付かれるでしょ?」
と驚くほどだった。さすがに昭恵氏もコメントの数が多いと思ったのか、2月1日午後には、
「ご心配頂きありがとうございます。皆さんの反応に私は逆にビックリです」
と書き込んでいた。
外国人記者「先進国でも新興国でもファースト・ファミリーの日常生活には護衛をつける」
実はこの種の懸念は、昭恵氏に始まった話ではない。11年1月12日に菅直人元首相の伸子夫人が東京・有楽町で記者会見した際も、同様の問題が指摘されている。
この会見に出席していたジャーナリストの渡辺晴子さんは、出版社「ロゼッタストーン」のウェブサイトのコラム「外国特派員クラブの窓から」の中で、
「講演を終えた伸子夫人は、プレスクラブのスタッフが仲通りで捕まえたタクシーに自前で雇った秘書と二人で乗り込み、公邸に向かった。『もし首相夫人が拉致されたら・・・』見送っていた筆者は背筋がゾッとした。SPが同行しないのでスタッフは独断で丸の内署から警官を派遣してもらっていたというが、プレスクラブでの記者会見は公務または準公務。危機管理上SPをつけるのが常識ではないか」
と、SPがついていなかったことを疑問視している。このコラムによると、会見に出席した外国人記者からも、
「オバマ大統領の家族はしっかりSPに護衛されている」
「先進国でも新興国でもファースト・ファミリーの日常生活には護衛をつける」
といった声があがったという。
鳩山由紀夫元首相の幸夫人は例外的にSPがついた
例外が鳩山由紀夫元首相の幸夫人で、10年1月には共同通信が
「ファーストレディーといえどもSPが付くのは異例。雑誌やテレビなどメディアへの露出も多く、歴代首相夫人に比べて知名度が高いことなどから、警備当局が必要と判断したようだ。外出時に警護するとみられる」
と報じている。