大阪市の橋下徹市長(日本維新の会共同代表)と約4年にわたってテレビ番組で共演していた丸山和也弁護士(自民党参院議員)が2013年2月1日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、橋下市長の行動原理について分析した。
「哲学・思想には関心が薄く興味がない」などと指導者としての資質に疑問を呈しながら、「維新」が他党との連携をさぐる中で独自性を失いつつあることから、13年夏までに「消えてしまう」可能性も指摘した。
「外交・防衛になると、たちどころに視界不良になって壁にぶつかってしまう」
講演は、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)での共演経験をもとに書かれた著書「愛と野望と橋下徹」(講談社)の出版を記念して開かれ、
「(橋下氏は)一種の新型インフルエンザ、新型ウイルス。国民は抵抗力がなく感染しやすい。この本は、一つの免疫力をつけることになるのでは」
とアピール。橋下氏の行動原理は「損か得か」「勝つか負けるか」の二つに集約されると分析した。
体罰や尖閣諸島、週刊朝日の連載への対応などの具体例を挙げながら、橋下氏の場当たり的な手法を、
「その場その場で決断して『勝つ』ことに重きを置いている。このことを問題だと思っていないと思う」
「一種の政治的エンターテインメントの様相。彼は、非常にしんどい自転車操業をやっていることも事実。『メディアが来なくなったらおしまいだ』とも言っていた」
と批判した。橋下氏が領土紛争をめぐって「共同管理」の案を口にしたことを念頭に、
「外交・防衛になると、たちどころに視界不良になって壁にぶつかってしまう」
と哲学・思想のなさが原因で外交問題への対応に苦慮するとの見方を示した。