投資家は「敏腕マネジャー」について回る
国際金融アナリストの小田切尚登氏は、「証券会社に勤めるサラリーマンのファンドマネジャーではどうかと思いますが、海外でまさに『腕一本』でやっていたのであれば、可能性はあります」と話している。
ファンドマネジャーの報酬は、大きく2つ。一つは手数料収入(信託報酬)で、これは資産残高に応じて、毎年2~3%が確実に得られる。たとえば、資産残高が100億円あれば、2億円のもうけ。運用資産が多ければ多いほど、ファンドマネジャーは儲かる。
もう一つは成功報酬。これは契約ごとに異なるが、運用した儲けの一部を得られる。たとえば、20%で契約した場合は年間10億円儲かれば、2億円が成功報酬として得られるわけだ。
一方、運用損失した場合には、成功報酬は得られないが、信託報酬は得られる。損失を肩代わりすることもない。
小田切氏は「日本でも証券会社などに勤めるファンドマネジャーは運用成績によってボーナスをもらうことはありますが、あくまでボーナス。欧米では投資ファンドの手法が定着していて、実績を上げたファンドマネジャーが信託報酬から成功報酬まで得られます。運用実績のある、凄腕のファンドマネジャーに投資家がついていることもあります」と説明する。
おそらく、霜見誠さんもこれまでの証券会社時代や、投資ファンドで相当高い運用成績を収めていたであろうことがうかがえる。
ただ、いまは「金融緩和で金利が付かない時代なので、ファンドマネジャーにとって運用益を上げることはかなり難しくなっています」とも、小田切氏は指摘する。