1993~94年の危機ではギリギリで先制攻撃回避
一連の北朝鮮の対応に対して、米国側も強い言葉で「応戦」する事態になっている。米国務省のヌランド報道官は、同日(米国東部時間)の会見で、
「北朝鮮の声明は不必要に挑発的で、いかなる核実験も国連安保理決議の重大な違反になる。決議第2087号で言及しているとおり、仮に核実験が行われた場合、我々は重要な行動をとる」
「(北朝鮮の声明は)北朝鮮国民の生活を改善させるためには何の役にも立たない」
と発言している。この「決議第2087号」は、前出の制裁決議のことを指す。その中には、
「北朝鮮による更なる発射又は核実験の場合には重要な行動をとる決意を表明する」
という文言もある。
この「重要な行動」の内容は明らかではないが、核関連施設への先制攻撃を指すとの見方もある。米国は、過去にも同様の対応を検討した経緯があるからだ。
北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)脱退を宣言したことに端を発する1993~94年の危機では、当時のクリントン政権が寧辺の核施設へのピンポイント爆撃を軸とする先制攻撃計画を本格的に検討していた。
計画の実行直前にカーター元大統領が訪朝して金日成主席と会談したことで、ぎりぎりで危機が回避されたという経緯がある。
北朝鮮の3度目の核実験は、2013年2月10日前後に行われるとの見方が有力だ。