自民党の反TPP議連、過半数超えの203人に 現職閣僚、党三役らも参加

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医療や保険分野の影響も心配

   もちろん、コメなどの重要品目が関税撤廃の例外として認められるのであれば、政府・与党がTPP交渉参加を決断することは可能だろう。しかし、従来のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)と異なり、農業分野でも「例外なき関税撤廃」を前提に進めるのがTPP交渉で、米国はじめ農業大国のオーストラリア、ニュージーランドが日本に関税撤廃の例外を認めるとの楽観的な情報は、今のところ聞こえてこない。

   このため、自民党の「TPP参加の即時撤回を求める会」は危機感を強めている。同会が1月23日に開いた今年最初の会合には約50人が参加。農業だけでなく、医療・保険などの分野でTPPが与える影響について有識者ヒアリングを行った。

   森山会長は「会員の数が増えたことは、それだけ責任がある。TPPを勉強しながら、国の方向性に誤りがないようにしたい」と発言。次期参院選でも先の衆院選の公約を踏襲すべきとの考えを示した。農業分野だけでなく、混合診療が全面解禁された場合、米国の保険会社が民間医療保険の販売で日本に参入してくる問題など、自民党内で医療・保険分野の懸念が高まる可能性が高い。

   民主党政権が「関係各国との協議を開始する」と宣言して始まったTPPの事前交渉は、自民党政権となって打開策が見つかるのか。与党内で多数となった同会の動きとともに注目される。

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