「人間の限界に近い」パフォーマンスに高い評価
しかし、道重さゆみさん(23)が12年5月にリーダーに就任して以来、風向きが変わった。7月にリリースした50作目「One・Two・Three/The 摩天楼ショー」が初週10.1万枚を売り上げ、02年10月の「ここにいるぜぇ!」以来約10年ぶりに初週10万枚突破となったのだ。
道重さんはテレビ番組で「自分は世界で一番かわいい」などと自称する「ナルシスト」キャラや「毒舌」キャラを演じ、ブームが下火になったモー娘。の中で良くも悪くも一番の知名度を得た。
実は03年にグループ加入している古株メンバーで、13年5月に卒業を予定している田中れいなさんとは同期だ。キャラが先行しているが真面目で後輩の面倒見もよく、責任感もあるとメンバーやファンは評価している。道重さんは雑誌やテレビ番組のインタビューで「モー娘。をみんなに知ってもらいたい」「恋愛よりもモー娘。を優先する」などと公言する熱いキャラなのだ。
手厳しいコメントが多いことで知られるYahoo!ニュースのコメント欄でも、モー娘。関連のニュースには「道重は可愛いし頑張っていると思う」「道重は意外と応援したくなるな!」「女だけど、さゆ(編注:道重さんのあだ名)がよくテレビに出るようになってからまたモー娘。にハマった。媚びてる感じないし、かっこいいよ」など、道重さんに対して優しいものが多い。
道重さん以外の魅力もある。2ちゃんねるの「最近モーニング娘。のファンになった人が集まるスレッド」では、「もはや地上で表現するシンクロナイズドスイミングに思える。タワーレコードで実際見た印象では『人間の限界に近い』という感じがした」「ダンスパフォーマンス、歌唱力に圧倒され今では娘。の動画を漁る日々」などと書き込まれており、パフォーマンス力も人気復活の要因らしい。ライブでは激しいダンスを踊りながらも生で歌うというのも評価されるポイントのようだ。
女性アイドルグループは09年頃から「AKB一強」のような状態が続いてきたが、12年頃には「ももクロ」の台頭、さらにここにきてモー娘。復活と、勢力図が変わりつつある。これからモー娘。は人気を伸ばしていけるのか、AKBはどうなるのか、目が離せない。