「福島の真実が伝わっていないからだよ」
今回の連載では、取材で出会ったアイガモ農法の農家も紹介している。この農家は、放射線量が比較的低いとする会津若松市で米作りをしているが、風評被害に苦しんでいると山岡士郎らに告白する。
山岡らも、放射性セシウムなどが不検出なのを知って、販売に協力を約束する。そして、家庭でその米を味わう山岡に、「こんな美味しくて安全なものを消費者が買わないというのも、福島の真実が伝わっていないからだよ」と語らせている。
雁屋哲さんはブログで、ガイガーカウンターを持って取材した様子を生々しく語り、2012年9月6日には、福島の真実編を「人生で一番厳しいマンガ」と明かしていた。原発政策を批判して物議を醸したこともあるだけに、ネット上では、こんな事態を生んだ政治のあり方などを批判するストーリーになるのではとの憶測も出ている。
もっとも、連載の初回では、海原雄山が山岡に「おまえはそろそろ自分の生えてきた根を知るべきだ」という意味深なメッセージも残している。原発以外のテーマも、ストーリー展開の重要な要素になっている可能性はありそうだ。