アルジェリアで日本人10人が死亡したテロ事件で、人質の置かれていた状況が少しずつ明らかになってきた。
同じエリアにいたアルジェリア人男性の証言によると、日本人含む外国人の人質が首と腰に爆弾を巻きつけられていたという。
人質を、爆弾をつけたまま車に乗せ移動させようとした
2013年1月27日放送の「真相報道バンキシャ!」(日テレ)は、国営企業の技師として働いていたアルジェリア人・ソフィアンさんから証言をえた。
それによると、ソフィアンさんは16日朝に、少なくとも4人の日本人を見た。うち1人はケガをしていた。その時の様子を「禅のように静かでパニックにもならず、勇敢で、威厳に溢れていた」と話す。
日本人を含む外国人の人質は全員、VIPルームと呼ばれる建物の外に並べられていた。そして、首と腰に爆弾を巻かれ、一本の黄色のケーブルで数珠繋ぎにされた。ケーブルの両端を一人の実行犯が持っていた。
ほかのテレビ番組でも、頭にけがをした日本人が、首に爆弾を巻かれ、武装勢力に「おかしな行動に出たら爆発させる」と脅されていた、との生還したフィリピン人の証言もあり、首に爆弾を巻かれていた日本人人質がいたのは確かなようだ。
ソフィアンさんによると、17日朝、外国人の人質らは見通しの良い広場に移された。アルジェリア軍による空爆が開始されると、複数の車が相次いで爆発した。自爆か空爆によるものかはわからないが、武装勢力が日本人を含む人質を、爆弾をつけたまま車に乗せ移動させようとしていたため、「多くの犠牲が出たと思った」という。
また、ソフィアンさんの友人が爆発した車を確認しに行ったとき、日本人らしき遺体を見たそうだ。毎日新聞は23日、イナメナスの病院関係者の話として、日本人2人が空爆の犠牲になり、うち1人は損傷が激しく、身元の特定が難航したと伝えている。