ネット使った「無料で勉強」が花盛り サンデル教授の講義から受験指導、プログラミング

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   ネット上で無料学習できるサービスが勢いを増している。アメリカでは、ハーバード大学やスタンフォード大学といった有名大学が、講義を見た上で課題やテストに取り組める学習サイトを公開した。

   日本でも、東京大学はじめ多くの大学が講義を配信している。また、有志による無料の受験指導や、プログラミング講座などもある。

   ネットを活用すれば、お金をかけずに学べる時代というわけだ。

オンライン「ハーバード白熱教室」が開講

   無料のオンライン教育サービスブームの火付け役となったのはアメリカのサイト「カーン・アカデミー」だ。小学校から大学レベルまでの教育ビデオを公開するサービスで、たとえば算数の基本からベクトル解析まで、3000本以上の講義がある。受けっぱなしではなく、小テストで確認したり、わからないところを受講者同士で教えあったりして学習できるのが特長だ。

   これに影響を受けて、アメリカの有名大学は2012年、オンラインで学習できるサイトを相次いでリリースした。スタンフォード大学は「Udacity」と「Coursera」を公開し、MIT(マサチューセッツ工科大学)とハーバード大学は「edX」を共同で立ち上げた。

   いずれも、講義動画を視聴するだけでなく、課題や試験があったり、受講者同士での議論が出来たりと、双方向のやり取りで内容を身につけることに重点が置かれている。

   学べる科目は、コンピュータ科学を中心に、ギリシャ古典や著作権など多岐にわたる。

   なかでも「edX」では、「ハーバード白熱教室」で有名なマイケル・サンデル教授の「Justice(正義)」を、2013年4月から開講予定だ。目玉であるディスカッションもオンラインで出来るという。

   現状では、こうした「オンライン大学」のコースを修了しても学位を取得することは出来ない。しかし、「Coursera」については、アメリカの準公的資格認定機関と協力し、「大学の単位取得相当」と認定されるコースにするための条件を煮詰めているとの報道が出ている。

日本にもオンライン無料予備校

   ただ、日本人にとって問題なのは、こうしたコンテンツのほとんどが英語なことだ。日本語で学ぶことはできないのか。

   講義内容や資料をオンラインで配布する活動はオープンコースウェア(OCW)と呼ばれていて、旧帝国大学や、慶應義塾大学、早稲田大学といった国内の主要大学がおこなっている。ただ、動画配信はあっても、双方向の学習に対応しているものはほとんどない。アメリカに比べると、まだまだという印象を受ける。

   一方、大学の外に目を移すと、日本版「カーン・アカデミー」のようなサービスがいくつか見られる。受験勉強に特化したサイト「manavee」は、いわばオンライン無料予備校だ。教育格差是正を目指す学生団体の取り組みで、東大や京大などの有名大生による受験指導をすべて無料で提供する。試験対策講座の動画視聴のほか、小テストや、教師や生徒との交流が出来る。2013年1月19日と20日には、センター試験の解説動画を即日配信するなど、かなり本格的なコンテンツを揃える。

   このほか、プログラミングを学べる「ドットインストール」や、小中高生向けの「eboard」いった教育サービスが、それぞれ有志の手によって運営されている。

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