日英の「最高幹部会議」が狙われた アルジェリア人質事件「内部に共犯者」情報も?

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   アルジェリア南東部のイナメナスで起こった人質事件は、日揮や英石油大手のBPなどのガス・プラントに関連する企業の幹部が集まる会合が狙われたとの見方が出ている。

   現在、アルジェリアの治安当局がガス・プラントの従業員から事情を聴いていることが伝えられているが、フランスのAFP通信やアルジェリアの地元紙・シュルークなどは、プラント内にイスラム武装グループへの「内通者」がいた、と伝えている。

英BP社の副社長、日揮の最高顧問が死亡

日英の「最高幹部会議」が狙われた?(写真は、「日揮」のホームページ)
日英の「最高幹部会議」が狙われた?(写真は、「日揮」のホームページ)

   日本人を含む多くの人質が殺害され、最悪の事態となったイスラム武装グループによるアルジェリア人質事件は、犯行のようすなどが徐々に明らかになるなかで、2013年1月21日付の英紙デーリー・テレグラフ(電子版)が、ガス・プラントを運営するBPのカルロス・エストラーダ副社長らが事件当日に現場を訪問していたと報じた。

   エストラーダ副社長はロンドン在住で、アルジェリア企業などとのガス・プラントの共同事業を担当している。ただ、現場を訪れることは年に1、2回しかなく、今回は他の幹部とともにガス・プラントを訪問していた。

   報道によると、1月16日に副社長が乗っていたバスを武装グループが襲撃。それが事件の発端になったとされる。その後、副社長の死亡が確認された。

   一方、日本のプラント大手、日揮の最高顧問を務める新谷正法さんも事件に巻き込まれた。1月24日夕時点で安否が確認できていない。

   同日付の読売新聞などによると、新谷さんはアルジェリアでの事業に精通しており、今回のプラント工事を統括する実質的なトップだった。ふだんは日本で勤務していたが、プラント建設に関わる各国企業の幹部が集まる会合に参加するため、アルジェリアに行っていた。

   ただ、首都のアルジェを訪れることはあってもプラントのあるイナメナスまで足を運ぶことは少なく、1月16日は工事の進行状況をめぐって発注元のBPの幹部とプラントの施設内で会合する予定だったとされる。

   アルジェリアでの会合や、安否を含む新谷さんに関する情報について、日揮は「コメントを差し控えたい」(広報・IR部)と話している。

   海外メディアなどは、こうした会合のスケジュールが武装グループに漏れていた可能性があり、その情報を知ったうえでガス・プラントを攻撃したとの見方を強めている。

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