反原発トーンダウン? エネルギー政策見直し、NHK調査で43%が「賛成」

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   「脱原発」「反原発」の意識や活動が、トーンダウンしてきたようだ。

   安倍晋三首相が「2030年代に原発の稼働ゼロを目指す」とした民主党政権が掲げたエネルギー政策を見直す考えを示していることについて、NHKが賛否を聞いたところ、43%が「賛成」した。「反対」は21%、「どちらともいえない」が30%だった。

「反原発」よりも「経済対策」

   NHKの世論調査は、2013年1月12日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に実施。対象の68%にあたる1138人から回答を得た。

   この調査で、「今、国が最も力を入れて取り組むべき課題は何だと思うか」聞いたところ、「経済対策」が38%と最も多く、次いで「東日本大震災からの復興」が18%、「社会保障制度の見直し」が15%、「原発のあり方を含むエネルギー政策」が10%だった。

   「大胆な金融緩和」政策を打ち出す安倍政権になって、円安・株高の「成果」から景気回復や経済活性化への期待感が高まっていることで、世論の関心も「エネルギー政策」よりも「景気」「経済」に移っていることがうかがえる。

   「脱原発」「反原発」が盛んに叫ばれていたとき、産業界は「脱原発はエネルギーコストの上昇を招き、しいては産業の空洞化を招く」などとの主張を繰り返し、「原発維持」を訴えてきた。それが受け入れられてきたようにもみえる。

   東京電力が12年9月から電気料金を値上げし、その後も原発の稼働停止と火力発電の燃料コストの上昇などを理由に関西電力や九州電力なども値上げを申請するなど、家計への影響が直接的に及んできていることがあるのかもしれない。

   そもそも、原発事故後の新たなエネルギー政策の策定に向けては、12年8月に当時の民主党政権が2030年の総発電量に占める原発比率をめぐり、「討論型世論調査」を実施した。それによると、「原発ゼロ」を支持した参加者の割合は、討論実施前の41.1%から「46.7%」に増え、最多の支持を得ていた。

   また、エネルギー政策を考えるうえで最も重視する項目では「安全の確保」をあげた人が討論前の74.0%から討論後に80.7%に増え、「エネルギーの安定供給」(15.8%)や「エネルギーコスト」(2.1%)を大幅に上回っていた。

   討論には原発の専門家らも加わり説明や質疑に応じたが、それでも原発の安全性は信用されなかったわけだ。

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